プラスチックや合板、塩化ビニールの壁紙。これらは安価で手入れが簡単であり、完成した瞬間が最も美しい素材です。しかし、時間が経つにつれて「劣化」していきます。
一方で、無垢の木材、漆喰、真鍮、リネンといった自然素材はどうでしょうか。これらは完成した時がスタート地点です。日々の生活の中で人が触れ、太陽の光を浴び、酸化していくことで、深い艶と味わいを増していきます。これが「経年変化(エイジング)」です。
傷を許容する豊かさ
日本の古民家や茶室が美しいのは、そこにしみついた時間の蓄積があるからです。床についた傷も、真鍮の黒ずみも、すべてがその家と家族の歴史になります。
効率や便利さだけを求めるのではなく、手をかけて育てる余地のある素材を選ぶこと。それは、住まう人が家に対する愛情を深めるための、重要なプロセスなのです。
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