東京のコンパクトなアパート

狭さは欠点ではない

日本の都市部における住環境は、世界でも類を見ないほどコンパクトです。しかし、私たちはこの「狭さ」をネガティブなものとは捉えていません。茶室に代表されるように、限られた空間だからこそ生み出せる「濃密な時間」と「洗練された機能美」が存在するからです。

視線の抜けをコントロールする

狭い部屋を広く見せる最大の秘訣は「視線の抜け」を作ることです。ドアを開けた瞬間に視線が一番奥の窓まで一直線に届くように背の高い家具の配置を避ける。これが第一原則です。

スタジオのゾーニング

多機能化という知恵

一つの家具に複数の役割を持たせる。例えば、収納を兼ねたベンチ、空間の仕切りとして機能するオープンシェルフ。日本の「ちゃぶ台」が食事、勉強、団欒のすべてを担っていたように、現代の家具選びにおいてもこの「多用途性」が重要です。

「空間の広さは物理的な面積ではなく、そこで行える行為の多様性によって決まる。」

壁面と垂直空間の活用

床面積が限られている場合、壁面をいかに美しく使うかが鍵となります。ただし、壁一面を収納で埋め尽くすと圧迫感が生まれます。下部は隠す収納、上部は「余白」を残した見せる収納(飾り棚)とすることで、重心を下げ、天井を高く見せる視覚効果が得られます。

垂直収納